金の暴騰に思う こと 2011.8.21

25年ほど前の話である。私の知り合いの成金が金の1Kgインゴットを買った。
200万円ほどだったと思う。
彼には金の現物による蓄財などという知識はなかったから、目先の利いた
妻やその父親の意向であったことは明白である。

その後、本業の儲けに比例して不定期にインゴットを購入し、おそらく10Kgを
超えて金庫に眠っていたと思う。その頃の相場はじりじりと下がり気味で、10Kgの
購入総額は1700万円くらいだったであろう。当時の彼らに技術があったとは
思えないが、結果として等分割で難平(ナンピン)を打ったということになる。

2000年頃までは下がり続け時価総額が1000万円を切るくらいになり、知っている
人間は私も含め”ざまーみろ!”と思っていた。

しかし、成金とはいえ金持ちは金持ちである。第一、利殖のために金を買った
のではなく、資産の一部として金を所有したのであるから相場が上がろうが
下がろうが全く関係ないのである。スッテンテンになり金しか残ってなければ
話は別だが、現在に至るまで事業は好調の様子である。

1オンスのメープルリーフ数枚を、相場が底を打って上がり始めた途端に現金化
して遊びに遣い、今の高騰を見て地団駄踏んでいる私とは違うのである。

金(かね)は持っている人間の側に吸収されるという経済理論が正しく、近年益々
世界に渦巻く投機マネーがその理論をさらに正当化せしめているのである。
金持ちは益々金持ちになり、小金持ち(中流)以下を段々引き離してゆくという
現象が世界で加速しつつある。

10Kgの金塊の時価が今日現在4500万円を超えようと、その成金氏には全然
関係なく、彼には購入時と全く変わらぬ価値の「10Kgのインゴット」なのであり、
同じような意味合いで不動産も買い漁り、国債やファンドなど言うに及ばず、
絵画や骨董まで相当数がエアコン付の専用倉庫で眠っている。
そうでもしないとカネの使い道がないと言うのが本音であろう。年をとるとあまり
贅沢なものは食えなくなるし・・・^^
成金氏はもはや”成金”ではなく、れっきとした”名士”でまぎれもない”資産家”なの
である。